2流博士の爆走

在独博士研究員の日常を書いていくブログです。

大学への化学①

皆さまこんにちは。ドイツで研究生活を続けております、が、終わりが見えてきました。先日、センター試験がありましたね。結果によっては進路を変えたり、という事があるのではないでしょうか。

 

さて、今回は大学への化学と題しましたが、高校での知識と大学での実際の研究と異なる点について少し述べていきたいと思います。

 

私は現在、有機金属化学をメインに研究を行っています。え?有機ってベンゼンとかでしょ?なんで金属が出てくるの?なんてよくある話です。興味がありましたら下記を参考にしてください。

 

ja.wikipedia.org

 

私は学部では機能性有機材料(有機合成)、修士から有機金属触媒を専門にずっとやってきました。そこで、改めて高校の化学分野(有機)に注目して見てみますと。。

 

・元素分析は自分で水の重さやらを量ったりしない。測定専用の分析官の人が居たりするので、自分は綺麗にしたサンプルを提出するだけ。

・元素分析から出てきた値を参考にして炭素数や不飽和度から構造を決定したり…しません。核磁気共鳴法(NMR)という手法を使って構造を決定します。他にもX線を使った構造解析なんてのもあります。

有機合成→精製との戦い。カラムクロマトグラフィーなどの分離技術によって化合物を精製、原料のNMRと比較して何ができたかを予想。

 

こうしてみてみると、高校化学は本当に初歩の初歩なんだなと改めて思い知らされます。初歩だけれども重要。でもこうして有機合成に特化して修士、博士を卒業すると高い確率で製薬企業やメーカーの研究職に就職できます。

また、論文を稼いでいればアカデミックの道も見えてくるのではないでしょうか。

 

センター試験で失敗した・・・なんて思ってもそこで腐らないでくださいね!それをリカバーするだけの点数が二次試験で取れるかもしれません。

 

思ったよりも良い私立に引っかかったり、なんてこともザラにあります。蓋を開けるまで分からないのが人生ですので、楽しむ位の勢いで頑張ってください!Viel Spass!